もしも救いがあるとすれば それはきみがこれまで目にしてきたことの中にある 流行に足を止めてばかりいるよりも 消滅した夢を再現する試みよりも 可能性の破片は自分の内に無数に溢れている 夜の音に耳を澄ましてわかるかもしれないし 日常の苛立ちを振り返…

津田沼

津田沼を歩いた 足が痛くなっただけだった 傘を失くした コンビニの灰皿が消えていた つけ麺屋は日高屋になっていた チャーハン餃子セットを食べた 今は厨房があるあたりで 昔のおれが恋人と座っていた ただの意味のない記憶だ 路地裏でこっそり煙草を吸った…

誰も一人で死ぬ必要はない

誰も一人で死ぬ必要はない 言葉を意味として受け取ってはいけない 言葉には内に発生した感情の発散という側面がある 強い怒りの感情を持った時に人はその憎しみのエネルギーを内にしまっておくことができない それができるのは本当に強いごくごく一部の限ら…

エネルギー

趣味の世界は退屈だ 趣味はなんですか 私の趣味は〇〇です だれかの余暇を過ごすための何かなんて 私が知りたいことは その人自身を破滅させてしまうような渇望の話だ 圧倒的な 抗えないエネルギーや衝動を一心に閉じ込めた何かだ でも考えてみてよ 社会の人…

光と闇の話

急に社会的な内容に言及するのもどうなんだという気もしますが、ここ最近もやっと考えていたことがあまりにも集約されていてすごいなと思ったので貼っておきます。 plagmaticjam.hatenablog.com 自分に関していえば、私ももれなく夢も愛も金もない人間なんで…

アルバムリリースにあたり

この文章は昔でいうライナーノーツのようなものです。 CDの時代が終わり、ダウンロードに続いてストリーミングが一般化した現代の音楽視聴環境における補完的な何か。そのような位置付けの、いわばセルフ・ライナーノーツです。 歌を作るとは何なのか。 その…

本当に久しぶりに図書館にきた。 日常的に訳詞をやっているとそれだけでかなりの言葉の情報量があるので案外満足してしまうという面がある。 私が向かうのは大抵は詩のコーナーで、他には絵本とか、歴史だったり宇宙だったりと実用的でないジャンルばかりな…

夢のない人

夢がないことは素晴らしい 私は夢のない人間だ 夢などみたこともない 眠る時を除いてだが 人々は夢を見ることを讃え 夢に挑戦することを誇り 夢を失うことを恐れ 夢敗れることに共感する そして夢を持ち続けることが大事なのだと 私は夢などみない みたこと…

私はロボットじゃありません

私はロボットじゃありません 消火栓・消火栓 私はロボットじゃありません 信号機・信号機・信号機 私はロボットじゃありません 横断歩道・横断歩道・横断歩道 私はロボットじゃありません 店の外観・店の外観 もう一度お試しください 店の外観・店の外観・店…

光あれ

昨日のニュースは奥歯に挟まった魚の小骨のように私の脳にぶら下がっていた ニュースといっていいのかどうか あれは無数の感情の泡のようなものか かつて誰かを裁くのはテレビという神の技だったが今では人にもその力が分け与えられたらしい ある意味これは…

道端の1円

だけどとにかく おれにはやる事があるんだよ 君たちみたいに 楽しんではいられない そう思い込もうとしているだけだったのか それは思い出せないが 都合のいいことだけ覚えてろと おれは教わった 駐車場の料金係に JRの列車監視員に 信者のいない教祖たちの…

廃墟の街のレコード店

この世界のどこかに、失われた音楽を取り扱う廃墟の街のレコード店があるという。 それがどこにあるのかは誰も知らない。 ある人の話では小人病の男が失われた街で社会から逃れ、その醜い顔をフードで隠してひっそりと経営しているのだという。 失われた音楽…

がっかりさせないで

わかっているよ それくらい きみと私は違う人 ああでもどうして そんなこというの 公の場で 目につくところで イメージの崩壊 イメージの崩壊 わかってるよ 君は叩けば埃のでる人間 君は叩き返して自滅する ああでもいったい何で そんなこと書くの Twitterで…

SF

局部銀河群はローカルグループ おとめ座超銀河団の中でも特に見下されている いまだに肉を焼いて食うしセックスをする星もある 偶像も崇拝するし生物は100年もしないうちにすぐ死ぬ ある日、どこからともなくジョン・レノンが再臨して 全銀河に向けてYouT…

平成の終わり、8月31日に

地元の本屋は潰れ 平成は終わりを迎える。 匿名ダイアリーでは「みんななんのために生きているの?」と問いかける。 独身40代の孤独は凄まじい。 快速電車を止めて急病人を救う運転手と 丸亀製麺と丸亀市は無関係。 漫画の海賊版サイトが海外サーバーで法…

火喰い鳥と悪魔

覚えておくといい 悪いやつほどよく褒める 笑顔でこんにちは でも話しかけてるのは 君じゃない 時を積み上げた 銀行口座なんだから ねえお母さん 台風は去ったかい 渡り鳥達は磁力圏を 感知するから迷いがないみたい どちらが北か どっちが南か まったく常識…

日曜日のジャンゴ

起きてコンビニに行ったら 陽気な音楽が流れてきた バイオリンとジプシー的なギター 日曜日のジャンゴだ ジャンゴ・ラインハルトは昔のギタリストで、やけどで左手の薬指と小指が麻痺してしまったが残りの2本指で物凄いソロを弾く人だ。 しかし正確にはこれ…

重力

男がひとり 何時間もつったっている なにをしているのかとたずねると 重力と戦っているのだという いつも負け続けだと彼は笑っていた 男は完全に正しかったことが 今なら、君もわかるだろう 私たちは誰もが 重力と戦っているのだ 自分を押し潰す見えない力と…

春の夜

昼には限りある日の光を浴びて 夜には遠い星の日常を想う 気のきいた韻も比喩も 春にはもう必要がないよ 目を閉じれば聴こえてくる 無数の夜の心臓の鼓動 名前のない電信柱にも 命が宿るのさ 君が本当にそれを望むのなら だけど思うだけじゃあだめだ 大声で…

あの頃に帰りたい

トナカイに捨てられた サンタクロースは プレゼントも配らずのんだくれていた ああ失ってはじめて気づいた 毛皮の温もり 跳ねるような蹄の音 その懐かしい足音も今では聞こえない 眠りに落ちるその瞬間の くたびれた赤い服の男の言葉は ああ、あの頃に帰りた…

狂気の世界

狂気の世界よ こんにちは 少しずつ、だが確実に腐敗してゆく 君の身体とともに 私の想いもまた ゆっくりと削れてゆく 放棄されたままの滑走路と 飛び立つことを忘れた鉄の塊は 作りかけたまま忘れられた 未完成のトラックだ 再生する機能すら忘れたまま ただ…

年老いた猫は最後の夢をみる

年老いた猫は 最後の夢をみる 夏の日 彼は焼けつく歩道にたっていた 沸騰するアスファルトの匂い 錆びたフェンス 好奇心と恐怖を煮込んだ スープの香りが 私を危険へと誘う 年老いた猫は 最後の夢をみる 秋の夕暮れ 二度と会うこともない 肌の柔らかい匂い …

オリジナル

眠たげな目で 孤高を気取る 孤独を愛す 恥ずかしがり屋 名作もいいけれど オリジナル 愛するのは 君のオリジナル 私は、そう 君のオリジナル 響き出す 太古の記憶 点数ばっか 取ってないで 闇に光る 点と点を取って 煌めく線を描いて オリジナル 繋ぎ出して …

音楽とはなんだろうか

音楽は油絵だ 空間という支持体を 無数の油絵具で彩ってゆく 塗って塗って 塗っていく ジンクホワイト シルバーホワイト 有彩色 バーミリオン コバルトグリーン ブルーコンポーゼ 何日も何日も塗ってゆく 一点も疑う余地はない 線は面になり 面は層になる 幾…

コインランドリー

コインランドリーが好きだ ぐーんと鳴り響く 機械の運動音 安物のパイプイス 回転するドラムと 回転する誰かの衣類 さぶさぶ洗濯機 1回500円 おつりは出ません 洗剤・ソフター不要 ふわふわ乾燥機 100円で8分 高温殺菌乾燥 汚れた衣類がきれいになる…

凍えた中心核

もしも今日 太陽が水素を使い果たし 狂いながら膨張する赤色巨星となったのなら その悲しみと怒りの運命の中に 私の孤独を飲み込んでくれないか 君は私の心臓の奥深くに 隠していた冷酷な核を 感じ取っていたんだね だけど私は君の望むような人にはなれなか…

才能

ある人間が 一定の長い月日をなにかに捧げると その人間をとおして その人間以上に素晴らしいなにかが 産まれることがある それは創作者の想像の範囲を軽く越える 予測もコントロールも不能な 感情と創造の化学反応であり 才能というものはもしかすると そう…

ふたつの循環

どこか遠くない街で 唐突に理不尽に 空気を震え上がらせた 激しい痛みと叫び声 どこか見知らぬ土地で 繰り返し繰り返し 日々を濡らし続けている すくいようのない絶望と涙 その出力をピックアップが拾い また新しい新鮮な痛みを産み出してゆく 果てしなく流…

朝と昼と夜

目がさめると いつもどおり朝がきていた。 朝はいつもせかせかしていて 「普段より1時間はやく起きるとカフェでゆっくり英語の勉強ができますよ」とか 前向きな人生の助言をしてくるので私は 「まあでも今の所日本語だけで充分です」というと 「君はあれに似…

小さな一歩、大きな飛躍

世界について考えることが 自分について考えることだなんて これは小さな一歩だけれど これは小さな一歩だけれど 死を覗き込むことが 生きる意味に繋がるだなんて これは小さな一歩だけれど これは小さな一歩だけれど 地球の至る所を眺め歩いたりしていたら …