何から始めればいいのか

f:id:bettychang:20180816024358p:plain


わからないまま時は流れて

というのは昔の古い歌の歌詞ですが(何から伝えればだったかも)、DTMやボカロで音楽を作るにはなにから始めたらよいのでしょうか。

前回DTMというものはただのツールだから別に勉強するようなものじゃないというようなことを書きましたが、それではなにをすればよいのでしょう。

​ちょっとDTMで使用するソフトの画面を見ながら考えてみましょう。

f:id:bettychang:20180816024508p:plain

 

私が使っているLogicという音楽制作ソフト(DAWという)の画面です。

DAWはたくさん種類がありますが、LogicはMac上で動くソフトです。WindowsユーザーであればCubaseというソフトが定番なのでしょうか。おそらく基本的な機能はどれも似通っていると思います。このサイトではLogicを使って説明していきます。

では、画面を見ていきましょう。

なにが見えるでしょうか。左側にBassやGuitar、Drumなどの楽器の名前がたくさん並んでいますね。ここでどのような楽器を(音を)使うか決めるわけで、例えばロック的な曲を作りたいのならやはりベース、ドラム、ギターは入れたいところです。

次に右下付近を見てみましょう。

鍵盤を縦にしたようなものとマス目のようなものが見えますか。ここは音の入力エリアです。

DTMでの音楽制作ではこのエリアで各鍵盤の延長線上に音を入力していきます。そしてこの再生ボタンを押すとあなたの曲がスタートし、時間とともに右に進行していきます。横軸は時間軸なわけです。そして入力した音の位置に達すると左側で選択した楽器の音が鳴るわけです。

ここで非常に重要なポイントにお気づきいただけたでしょうか。

何が重要だったのかというと、つまりDTMでは鍵盤(を縦にしたようなもの)を見ながら音を入れていくということです。​この擬似鍵盤はピアノロールといいます。

左側の音源で、例えばドラムを選択したらドラムの絵が出てきて叩いたりするわけではなく、サックスでもビブラフォンでもエレキギターでも、なんの音を入れるにしてもピアノロールを見ながら音を打ち込んでいくわけです。

なにから始めればいいのか、おわかりでしょうか。

答えは「鍵盤」です。あるいはピアノかキーボードです。

DTMでは鍵盤上でどこを押せば何の音がでるのかわからなければどうしようもないわけです。

では他の選択肢はないのでしょうか。

例えばギターを自分で弾く方は、オーディオIF(インターフェース)という機械を通して実際に弾いた音をDAWに録音し、他の楽器と合わせる、というやり方もありますが、他の楽器はやはりピアノロールで入力することになります。

というわけで、結論はでています。鍵盤を始めましょう。

誤解を恐れずにいうならば、DTM=ピアノロールでの作業です。またはパソコンに接続したMidiキーボードです。

キーボードを買いましょう。電気屋で売っている安いものでもいいですが、私のオススメはstudiologicのnuma compactというキーボードです。

これはエントリー的価格でかつ鍵盤のタッチがオルガンのような感触で触っていて気持ちいいし、音もなかなか良いです。

ところで鍵盤を練習するとはいってもショパンやバッハの曲を練習する必要はまったくありません。練習しても良いですが。

では何をどのくらい習熟すればいいのか、それは作りたいものによりますが、個人的に思う目安としては幾つかのキーでドレミファソラシドやペンタトニックスケールが弾けたり、コードが弾けたりへたくそでも他人とちょっとしたセッションができる程度に親しめばDTM作業には支障がないかもしれません(なんともいえませんが大雑把な目安として)。

ところで、へたくそでもいいというのはちゃんと理由があります。

それはDTMでの作業は実際に演奏するわけではなく、演奏しているように音を入力していくことだからです。演奏はソフトがやってくれます。

いってみれば楽器の演奏技術自体はかなり雑でもプロレベルでもどうでもいいわけです。それよりも、どのように弾くとどんな感じになるのか、そういった理解が重要です。

そういうわけで、DTMでは同じ音を鳴らすだけなら楽器の生演奏に比べ相当に敷居は低いわけです。時を止める能力を身につけているようなものです。

 

ほかの楽器の練習は必要か

 

DTMで音楽を作ろうというのに、さっきからなぜ楽器の練習の話ばかりするのか、と思うかもしれませんが、その理由は先ほどのDAWの画面にあります。

左側にギターやベース、ドラムなどの楽器の選択画面がありましたね。

選択するとそれぞれの楽器の音がパソコン上で鳴る準備ができるわけですが、それはつまりDTMで鳴らせる音というのは基本的に現実の楽器の音のシミュレートなんです(まあそれ以外の音もたくさんありますが)。

つまり鳴らせる音が楽器のシミュレートである以上、どんな風に音を鳴らせばいいのかは実際の楽器を知ることが一番てっとり早いわけです。というよりも、あなたがもし楽器についてなにもわからないのであれば、それはDTMの世界でも同じことです。

どう楽器を鳴らせばいいのか、どのように音楽を組み立てていけば良いのか、おそらく途方にくれます。現実に知らないものは仮想であれ、たとえ時を止められたとしてもどうしようもありません。

ではしかし、そうはいってもなにから始めればよいのか、楽器なんて無数にありますしどうすればいいのでしょう。

ひとつには、まず先ほどあげた鍵盤です。

この理由は先ほど述べたように、音を入力するときにキーボード(またはピアノロール)を使うからです。キーボードに慣れ親しむほどに作業は早くなりますし、思うような音楽が作れるようになります。

他の楽器よりも1つメリットが大きいわけです。最重要楽器です。

他になにをやるべきでしょうか。

鍵盤だけでも大変なのに「他に」というのはあまりにも無茶な話ですが、これは実はDTM全般にいえることなんです。

普通、一般的バンド音楽は4人ないし5、6人の楽器演奏者とボーカルがその曲をどのように組み立てるか考え、それを実際弾いて録音し、1曲を作り上げるわけですが、DTMというものはたとえ実際に演奏はしないにしても、それらすべてのパートをひとりで組み立てていく必要があるので、もともとが無茶な話なんです。

 

このことをまず念頭に置いておいてください。

あなたは非常に無茶なことをやろうとしています。

そうした無茶なことでも先に進むために、私たち人間は限られた時間の中でなにを学ぶべきでしょうか。

それはドラムです。

ドラムという楽器はいわゆるロックポップス的音楽のリズムやグルーヴの要であるにもかかわらず、やったことがない人には各パーツの名称(たとえばタムとかハイハットとか)すら知られていないような不思議な楽器です。

そしてドラムという楽器は、知らない人にはDTMでも絶対にまともに打ち込むことはできません。そこには音楽を躍動的に動かすための独自なノウハウがあるからです。実際に触ったことがなくても音楽をたくさん聴いているからDTMならばできるかも、と思うのは過信です。たいていの人はハイハットとライドシンバルの区別もついていませんが、どちらで叩くかで曲の雰囲気やノリはまったく変わります。

なぜわからないのか、それはそもそも存在を知らないからです。先ほど述べたように、一般にドラムという楽器はパーツのレベルまであまり知られていないからで、人間はよく知らないもの同士はなかなか区別できません。それは馴染みのない国の人々の顔が皆同じに見えることと似ていますが、視覚だけでなく聴覚でも同じことがいえます。

たとえドラムの各パーツや音を理解したとしても、アクセントのつけ方もフィルインの入れ方もわからなければドラムはパートの役割を果たせません。役割を果たしていないパートがあると音楽は死に一歩近づきます。そしてそれがドラムだとかなりの確率で致命傷となりえます。どちらかというとそれならば初めからそのパートはいれない方がむしろまとまりが良いです。

これは私には理由はよくわからないのですが、音楽というものはたとえ楽器を演奏できない人でも、全然詳しくない方でも、おかしな演奏や不十分なパートを聞けば、なんかおかしいなという居心地の悪さを感じるものなんです。なぜでしょう。でもとにかくごまかしが効かないんです。

現代の音楽はドラムなしにはほとんど成立しない、といってもいいほど重要なパートです。

20世紀以降のポピュラーミュージックとそれ以前のクラシックとの違いのひとつにドラムの存在というものが大きくあると思っているのですが、つまり現代の音楽というのはリズム、あるいはグルーヴありきの音楽なんです(ノリ、といってもいい)。

ロック的な音楽でいえば、メロディー(歌)の次に重要なパートはなにか、と聞かれればそれはドラムです。

それではギターやベースは理解する必要はないのでしょうか。

それはケースバイケースなのですが、ギターの主な役割は和音を鳴らすことであり(もちろんそれだけではないけれど)ベースは低音のラインで、これはかなり重要な音楽の土台ではあるのですが、どちらもピアノのコードの弾き方や左手での低音のラインなどを理解していけば、ある程度は応用でき、DTMで打ち込むこともできるようになります。しかし、ドラムは他のどの楽器を理解しても代用がききません。

とはいえ、もちろんドラムを使った作品を作る気がないのであれば覚える必要はありません。つまり結局はどんなものを作りたいかによるわけですが、一般的なロックポップ的音楽、あるいはその派生系をやりたいのであれば、絶対にドラムを覚えましょう。

別に本格的なレッスンに通う必要はありませんし、ドラムを買う必要もまったくありません。実際にライブで叩くわけではないわけですから。もちろんやってもいいですが。

まずは​入門書を買って定期的にスタジオに通いましょう。個人練習であれば一時間500円前後で使えます。

​自分の好きなバンドのスコアを買って、そのドラムパートを叩いてもいいですね。好きな物事ほど続きます。また、それを実際にDTMで入力してみましょう。

​一見遠回りな道が一番近かった、ということも実際あるんです。

 

どうせならギターがやりたい、という方に

 

どうせ楽器をやるのならかっこいいギターがやりたい。ギターは音も刺激的でストレス解消にもなるしモテる(いやもてない)という方には、合わせてベースをやることをお勧めします。というよりやってください。

はっきりいってギターよりベースのほうが重要です。

ロックミュージックはギターが下手でもわりと成立しますが(程度によりますが)、ベースがむちゃくちゃだと音楽になりません。

エレキベースはギターの3−6弦と同じ音の並びなので、ギターができればかなり簡単に弾けます。右手はピック弾きで十分でしょう。ベースを合わせてやりましょう。

ギターとベース両方やって初めてピアノの両手と対等になります。

​しかしDTMで音楽を作る以上、ピアノロールでの音の入力対策として最低限、鍵盤上での音の配置は理解しておく必要があることは忘れないでください。

鍵盤上でC,D,E,F,G,Aのキーでドレミファソラシドが弾ける、くらいでよいです(それでも結構大変です)。

​今回は以上です。どうもありがとうございました。