狂気の世界

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狂気の世界よ

こんにちは

少しずつ、だが確実に腐敗してゆく

 

君の身体とともに

私の想いもまた

ゆっくりと削れてゆく

 

放棄されたままの滑走路と

飛び立つことを忘れた鉄の塊は

作りかけたまま忘れられた

未完成のトラックだ

再生する機能すら忘れたまま

ただそこにじっとしている

 

眠りについたままの

データの廃棄場

そこはとても静かで

ひんやりとしているがどこか懐かしい

諦められてしまった愛情の残像は

どこを彷徨うのだろう

 

その感情はまるで

ナミビアのスケルトンコーストで

打ち捨てられた難破船のように

強い潮の流れに阻まれて

海にはゆけぬ

周りには果てしない砂漠が広がり

陸でも生きられぬ

 

船体が朽ち果てて

無くなってしまう時間は

海で活躍していた時間よりも

遥かに長いのだという

その話を聞いたときに私は

心の何処かが救われたような気がした

 

さようなら

狂気の世界よ

さようなら

この小さなテーブルよ

さようなら