ビートルズの魅力とは

最近どなたかの記事でビートルズというバンドの良さがわからないという内容を読ませていただきまして、そういえば私も全然興味なかったなあと思い出しまして、なにかを書いています。

自分は古い音楽をいろいろと漁るのが昔から好きなのに、なぜひっかからなかったのかあまり覚えていないのですが、それこそ1920年代のブルースなども好きで昔から聴いているので、音がしょぼい(もちろん90年代とかそれ以降のロックと比べてですが)とかそういうとこではなかった気はするのですが、なんとなく合唱みたいな感じとかが苦手だったのかな、とか、声があまりにもあっさり普通すぎるとかそんなだったかもしれません。

それで、いまでは結構好きで聴くのですが(といってもプレイリストなどレベルで決して詳しくはないのですが)、良いなと思った理由というか時期ははっきり覚えていて、自分で作曲しだしてからなんですよ。

それで、なにが響いたのかというと、メロディーの構造的な美しさですね。

聴いている人を飽きさせないタイミングで適切な高さまで上がり、下がり、繰り返し、フレーズを適切に展開させ、それに飽きる前にブリッジで変化させて、また軸のメロディーに戻る。曲自体の構造が必要なものだけ完全にあり、練られた上での簡潔さともいえるかもしれません。

一時期興味があって図書館でジョージ・マーティンというビートルズのエンジニア(実際アレンジに至るまでかなりのところやっていたらしい)の方の自伝を読んでいたのですが、非常になんというか、今でいうマーケティング意識の高いバンドであったことなどもいろいろと垣間見れて面白かったのですが、楽曲のできを見るとそれはたしかに納得のいく感じがしますね。

それで、ビートルズの良さを感じるのに一番良い方法なのですが、たぶんピアノでコードとメロディーを弾いてみることだと思います。そうするとアレンジが影響しないので、曲の根幹をなすシンプルな骨組みの完成度の高さがわかる気がします。非常にですね、メロディーがいいんですよ(語彙力がないですが)。それにコードも結構ひとくせあって面白いです。

例えば同年代あたりから今もなお活動中のボブ・ディランの音楽なんかと比べると全然違いますよね。彼は圧倒的に言葉の人であって、言葉と音楽の可能性の追求した人と思うのですが、彼の場合は歌詞を読まないと良さが全然わからないんですよ。メロディーとかかなりつまんなくて(はいいすぎだし失礼か)歌詞がわからないと、その曲の全貌のせいぜい2割くらいしかわかってない状況なんですよ。自分の感覚では。

そういう意味では言語圏の違う私たち日本人からしたらボブ・ディランは非常にやっかいな存在なわけですが、ビートルズはそういうところがなくて、なに歌ってるか全然わからなくても良いんですよ。といっても歌詞ほとんど知らないので、良い歌詞かもしれないし、もちろん歌である以上わかったほうが良いに決まってるわけですが。まあつまりなにがその人(たち)の核であるか、という話なのですが。

今若い人でビートルズが好きな人が多いと聞いたことがあるのですが、すごくわかる気がします。ストリーミングなどで気軽にいろいろ聞ける環境なのと、YouTubeなどでなにかやるにしても、有名な曲は取り扱うとウケが良いという側面もあるかもしれませんが、それにしてもボブ・ディランが好きだというのはまったく聞いたことがありません。私は悲しいです。

ところで昔の、特に60年代あたりの音楽を聴くとドラムが右から鳴っていたり空間がスカスカだったり管楽器が全部左によってたりと、いろいろと今ではありえないような変なバランスのアレンジがあっておもしろいのですが、昔の音楽に挑戦する(現代の音楽を楽しむ容易さと比べると、挑戦と言っていいと思いますが)場合はそういうところも考慮したほうがよいかもしれません。つまりステレオという新技術での音楽構築の過渡期だったわけです。その上でスカスカでギターも全然歪んでないサウンドから音楽の歴史の変遷を感じるというのもまた音楽の楽しみのひとつではないかなと思います。

それではまた。