廃墟の街のレコード店

f:id:bettychang:20190522201244j:plain

 

この世界のどこかに、失われた音楽を取り扱う廃墟の街のレコード店があるという。

それがどこにあるのかは誰も知らない。

ある人の話では小人病の男が失われた街で社会から逃れ、その醜い顔をフードで隠してひっそりと経営しているのだという。

失われた音楽とはどういうものか。誰も聴いたことのないリズムか。あるいは失われた古代の楽器の音か。

失われた心を取り戻す再生の響きかもしれない。それとも失われた生物や伝説上の生き物(例えば人魚とか)の歌声かもしれない。

ある人はこういっていた。

そんな店は存在しない。ただの都市伝説だと。音楽を作ることそれ自体がそのレコード店を探すことなのだと。

なるほど、とおれは思った。一理あるな。

そしてまた廃墟の街で人知れず流れる、失われた音楽たちのことを思った。