天才は衰退期に現れる(ミシェル・ペトルチアーニとスティーヴィー・レイ・ヴォーンの話)

なぜ。

何の話かというとこれを聴いてるんです。

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今日は頭痛がひどいので制作小休止。

それでこれ、ミシェル・ペトルチアーニのライブ音源です。

たしか去年突然ポッとでてきたんですよね、これ。

メンバーがすごい。

 

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生誕:1962年12月28日

死没:1999年1月6日(36歳没)

 

ミシェル・ペトルチアーニ(Michel Petrucciani, 1962年12月28日 - 1999年1月6日)は、フランス出身のジャズ・ピアニスト。先天性疾患による障害を克服し、フランス最高のジャズ・ピアニストと評価されるほどの成功を収めた。-wikipediaより

 

私は非常にファンなんですが、しばらくはこういう背景の人物だと知らなかったんですよね。

単純に演奏がとんでもないなと思ってた。なんだこれはという。でもそういう人生があって、この音があるんだろな。それは決して切り離せないものなんだと思う。

彼のソロは溢れ出るフレーズはもちろんですが、自分の前のプレイを受けて次から次へと流れを作っていくスタイルというか、まあジャズってそうかもしれないけど決して常套句的はめ込みではなく、ポリリズム的な要素あり、8分と3連と16分の巧妙な棲みわけ使い分けといい、全体的な流れの組み立ての巧みさもだし、とにかくすげえんですよ。まあすげえのひとことで済む話ですが。そしてグルーヴ。キメといってもいいけど。曲に対するグルーヴのアプローチがダイナミックで、バンドに近いものを感じる曲の組み立てというか楽器の合わせ方というか。

その延長線上にかの名盤のTrio In TokyoとBoth Worldsがあると考えると非常にわかりやすい気がする。あれは究極のグルーヴ。

80年代から90年代に活動した方なので、完全にジャズ衰退期なのですが、ある意味ジャズの正統的最終形態を見た気がした。

本当に凄い人ってそのジャンルの別のアプローチではなく、正攻法でそれを推し進めるんですよね。こういう人、もう一人知ってます。

ブルース界のスーパースター、スティーヴィー・レイ・ヴォーン。

 

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生誕 1954年10月3日

死没 1990年8月27日(35歳没)

 

スティーヴィー・レイ・ヴォーン(Stevie Ray Vaughan, 1954年10月3日 - 1990年8月27日)は、アメリカのブルース・ギタリスト、作曲家、歌手。本名はStephen Ray Vaughan(スティーヴン・レイ・ヴォーン)。アルバート・キング、エルモア・ジェームス、オーティス・ラッシュらの強い影響を受けていた。-Wikipediaより

 

なんと、ふたりとも1才違いで亡くなってるんですね。まじ。

何てこった。なぜ、としかいいようがない。

スティーヴィー・レイ・ヴォーン。

彼もやはり80年代、ブルースが終わりかけている頃に現れたわけですが、フレーズはいわずもがな、やはりギターのトーン。あんな音はこれまでのブルースにもロックにも存在しなかったのでは。

しかも歪みが深いのではなく、太い。音圧というか。よくわからない凄みがある。例えばジャズギターでいうとウェスのギターと他の人のピック弾きくらいの違いを感じる。

エフェクターとかアンプとか、弦の太さとかピッキングとかいろいろな要素が絡んであの音なんだろうけど、そういう方向性を発見したというのがまずすごい。

トーン。音質でこんなに違うのか。

もちろんボーカルも好きだけど。あと早弾きも凄いよね。たまに異常に速い。あれスウィープしてるみたいですね。昔コピーしたので知ってる。あんまできなかったけど。あとバンド自体のグルーヴ。非常にかっちりというか、がっちりというか。

本当に凄い人はそのジャンルの別アプローチではなく、正攻法でそれを推し進めるんですよ。この人もまさにそう。

結構ドラムとベースがタイトなんですよね。私は好きですけど。クリス・レイトンのドラムとか派手さはないけど、よく聴くと凄くうまいのがわかる。

 

このようにですね、天才とはジャンルの衰退期に現れるんですよ。必ずしもそんなこともないか。まあこの二人の場合か。でもそのジャンルの歴史的な蓄積と特定の個人の何かがうまく噛み合った時にかな。それが終わりかけている衰退期にそのジャンル自体を推し進める人物が突然現れる。これは何かしら必然があるのかな。そして去って行ってしまう。なぜ。残された我々にできることはもちろん音源を聴くこと。それだけ。それが宝だしそれで十分じゃない。そうだな。